「取り壊すから今住んでるアパートから出ていかなきゃならねーんだよ。」
そう言って、おじいちゃんが自転車を牽いてきた。
「遠くに引っ越すと来れなくなるからな。タイヤ交換頼むよ。」
僕はその擦り減ったタイヤを交換した。
「修理はここが一番よいからな。」
おじいちゃんの最後の言葉が心に染みる。
そして
押し寄せて来る寂しさ。
おじいちゃん、ありがとう
元気でね。