2019.07.07日本で行き場のなくなった自転車
心配事。
墨田区で下記の事業が始まりました。
家庭で不要になった“まだ乗ることのできる”自転車を回収し、アジアやアフリカ地域へ届け、リユース・リサイクルする。
回収費用:無料
実施の背景には、
自転車を粗大ごみとして廃棄する際の環境負荷、区の経費負担への懸念もあるようです。
廃棄されずに必要としている場所でリユース、リサイクルされるのは、良い事ですね。
ただ、受け入れ窓口の清掃事務所では
「修理すれば直るものは受け入れ、修理はそれぞれの輸出先の国で対応、
こちらからは回収した自転車を民間機関を通してそのまま届ける」
のだそうです。
そうなると、
現地で補修部品が手に入らず直せなかった自転車は、結局捨てられてしまったり、
不要自転車を送り続けることで、プラスチック廃棄処理の問題と同様、海外にゴミを押し付けることにはならないか?
また、“無料”という特典付きで容易に処分することができるようになれば、
今後ますます自転車社会全体に安易な使い捨て構造が定着してしまうのではないか?
持続可能な自転車社会を目指すなら
大量生産、大量消費をやめて
【少量生産→少量消費→修理→少量廃棄】
の社会構造にしていかなければならない。
僕はそう考え、
自転車を売らない自転車屋として5年間、修理に徹してきました。
日本で行き場のなくなった自転車を、先の見えない海外輸出に簡単に委ねる前に
「そもそも何故、こんなにも不要な自転車が溢れているのか?」
これを機に今一度 考えてみませんか?
